ファミコンランナー高橋名人物語


ファミコンランナー高橋名人物語

ファミコンランナー高橋名人物語
作者:高橋利幸河合一慶
出版社:朝日ソノラマ
定価:\2,100
発売日:2002/06

うわ、懐かしい!「コロコロコミック」で連載されてたのをリアルタイムで読んでいたよ!
風の噂で数年前に復刻されたと聞いていたけど、本日たまたま立ち寄った書店で見かけたので即ゲットしました。
内容は、ゲーム(ファミコン)漫画というよりギャグ&冒険漫画。高橋名人が北海道の大自然で過ごした少年時代を、大胆な脚色を織り交ぜて描いています。ウ○コを投げてセミを採る「札幌採り」とか、食べれば野生化してパワーアップする「トカゲソ」(トカゲの尻尾)とか…もう爆笑。
連載が進むと、不死鳥を探してチベットを冒険したり、桃太郎のコスプレをして悪人たちの島に乗り込んだり、ファミコンとの関連性が皆無になってゆく。もはやゲーム名人(=ゲーム会社の社員)という立場を超越して、気は優しくて力持ちで子供たち憧れる「高橋名人」のキャラクターが確立していたんだな。イメージ的には『こち亀』の両さんと共通している気がする。


そんな高橋名人は、今でも「ゲーム業界の顔役」的なポジションで活躍している。当時のようなデフォルメされたキャラクターじゃなくなったけど…まぁ、収まるところに収まったのかな。
ふと気がつけば、僕も当時の高橋名人よりも年上になっているワケで…。「コンピューター業界」という広い括りとはいえ、同じ業界にいると考えると嬉しくなってくる。僕も名人に負けないように頑張ろう。


あと、個人的に気になったエピソードがあったので…あまりにマニアックなので、興味のある方だけどうぞ
連載初期に「高橋名人毛利名人がもし戦ったら」という話があった。後に『スターソルジャー』で対決する両名人だったけど、この頃はまだ未対決だった。そして、「もしも戦ってみたら…」と話を振られた両名人の返答。これが連載当時とコミック収録されている話とで違っていた気がする。


コミックス収録の話では「戦ってみる?」と興味ありげな返答をして「お互いに良きライバルとして競い合ってゆきたい」と言ってた。これが後の「スターソルジャー対決」へと繋がってゆく。
ところが(僕の記憶の中の)連載版では「僕らは戦いませんよ」と否定していた。「どっちが強いか決めてしまっては面白くない」ということで。このセリフが変えられたのは、やっぱり後の対決があったからなんだろうな。
実際の「スターソルジャー対決」は引き分けというオチだった*1。まぁ、お約束といえばお約束なんだけど。
「どっちが強いか決めてしまっては面白くない」…対決の実現前に語られて、コミック版では削られてしまった(と、僕は思っている)このセリフが、ファンや関係者の共通した気持ちなんだろうな。

*1:5本勝負で毛利名人が3勝。でも5本合計スコアは高橋名人の方が上…という理由で