機甲戦記ドラグナー(5)

全話視聴は終わりましたが、感想というかレポートというか備忘録のようなものを、あと数回ほど。


今回は戦争モノのお約束「政変・勢力変遷イベント」について。『ドラグナー』も例に漏れず、シリーズ中盤で敵であるギガノス帝国に一大政変が発生。マイヨが心酔するギルトール元帥が、強硬派の軍人ドルチェノフに暗殺され、しかも現場に居合わせたマイヨが罪を擦り付けられ、逃亡を余儀なくされる。
その暗殺イベントは、マスドライバーによる地球攻撃を直談判しに来たドルチェノフが威嚇で拳銃を取り出して、ギルトールに制されようとして、つい…という、些か締まらない展開。こんな死に方じゃ、元帥閣下もさぞ無念だったろうなぁ。
敵なりに確固とした主義主張を持つ指導者が、いかにも小悪党な部下に倒されて、その座を乗っ取られる…。こんな展開、他にあったかなぁ?『ガンダム』で喩えるならば、マ・クベコンスコンギレン・ザビを暗殺してジオン公国を乗っ取るとか…うーん、想像もできない展開だ。
この政変劇はグン・ジェム編の中で行われているんだけど、これも路線変更の一環らしい。『ドラグナー』自体ではそれほど描かれていなかったけど、戦争モノのお約束として『Zガンダム』や『ガンダムZZ』にはニュータイプ論や宇宙移民の独立運動やら、イデオロギー論争が絡んでいた。この路線変更では、イデオロギー的な部分を担うギルトールを退場させて、グン・ジェム隊と同じく悪役然としたドルチェノフを親玉に据えたことで「勧善懲悪モノ」の色を強めていったのかな。


一方の地球連合ケーンたちが中国奥地でグン・ジェム隊とボコり合ってる間に、ドラグナーの量産期"ドラグーン"が地球各地で大活躍。地球各地でギガノス軍を打ち破っていた!…という展開が、オープニングのナレーションで簡単に説明されています。
ケーンたちの行動が戦局を動かしたのって、試作機であるドラグナーを軍本部に届けるまでだった模様。いや、グン・ジェム隊の守る秘密工場を破壊するのも大局的には重要だったのかもしれないけど…。