機動戦士ガンダムSEED DESTINY

<FINAL PLUS(12/25)>
事前情報では「全50話+新作映像によるエピローグ」だったのが、実際は50話に新作映像をプラスした「最終回のリメイク」だった模様。
注目のエピローグではプラントとオーブが停戦したこと、ラクスがプラントに戻って評議会議長になった(と思われる)ことが描かれ、コズミック・イラの世界もひとまず平穏を取り戻した・・・という結末になった。


で、今回印象的だったのは「シンの救済」が描かれていたこと。テレビ版最終回ではアスランインフィニットジャスティスガンダムにキック一発で倒され、ルナマリアの膝枕で泣きながら要塞メサイヤの崩壊を眺めているだけ・・・という何とも悲惨なラストシーンだった。それが今回は、メサイヤを脱出したアスランに手を差し伸べられていた。その後、ルナマリアメイリンを含めた4人でオーブの慰霊碑を訪れていたので、無事に和解できたらしい。いや、その過程で色々とモメていたかもしれないけど・・・。
全編通して怒りん坊だったシンが、憑き物が取れたように落ち着いた表情をしていたのが印象的だった。偶然(?)出会ったキラの握手に黙って応じるあたり、まだ複雑なわだかまりが残っているらしいけど。
これで『種デス』は完結を迎えたワケで、全体的な感想のようなものを。


ストーリーについて。個人的には、その場その場のエピソードはそんなに悪くないと思ってる。お約束のガンダム強奪に始まり、早々にコロニー落としをやって、ガンダムで『卒業』よろしく花嫁カガリを拉致ったり、フォウ・ムラサメよろしくステラとの悲恋があり、池田秀一キャラが演説かますし、前作のメインキャラが敵味方に分かれたり、新旧主人公が戦ったり、本物以上にナイスバディな偽ヒロインが登場したり・・・さながら「イベント全部乗せ状態」だったワケで。パクリだの何だのと言いつつ、普通に楽しめたと思う。
でも、そのイベントを盛り込むため(あるいは盛り込んだ結果)、キラたちが「これから何をしていいか分からない」と迷っていたり、アスランが成り行きでザフトに復帰(≠キラたちと敵対)したかと思ったら脱走したところを拾われて和解したり、シンが僅かな間しか一緒に過ごしていないステラを過剰に思っていたり、デュランダル議長やミーアの演説ひとつで世論が一変したり、ストーリー全体として歪な部分ができてしまったと思う。加えて、総集編や使い回しが多かったのはストーリー以前の問題で、厳しい意見を受けるのも当然だと思う。
種デス』は「人気作」や「話題作」であることは間違いない。でも「名作」や「傑作」なのかと言うと・・・正直、無理が出てくるなぁ。「駄作」とは言わないまでも「問題作」なんだろうな。それでも、誰にも観られることも話題になることも無く忘れ去られる幾多の作品より、遥かに恵まれているのも事実。


気になる続編については・・・まぁ"様子見"というコトで。続編があったら「やっぱり人気があるんだなぁ」と思い、無かったら「やっぱり不評だったんだなぁ」と思うことにします。