機動武闘伝Gガンダム(2)

昨日に続いて『Gガンダム』について書いてみる。
「心のビデオライブラリー」の2本目は、ラスト5話(#45-49)を視聴。いきなり「マスターアジア暁に死す!」で、その濃厚ぶりにノックダウンされそうだ。このエピソードについては『Gガン』を扱ったWebページではほぼ確実に語られているので、ここでは略。未見の方は要チェックね。
そして最終決戦。主人公のドモン・カッシュにデビルガンダム破壊を命じていたネオジャパンの将校ウルベが、実はデビルガンダムによる地球征服を企んでいた黒幕だったと明かされる(つまりドモンは悪の片棒を担がされていた)。これにはリアルタイムで観ていて「そうだったのか!」と驚かされた。そんなウルベを、今まで戦ったガンダムファイターたちが「昨日の敵は今日の友」パターンで集結して立ち向かう。そして物語は、今や伝説となった「石破ラブラブ天驚拳」で大団円を迎える。


ところで、『Gガンダム』放送終了後に発刊されたムック本(確かアニメージュの別冊だったと思う)に、今川監督の興味深いインタビューが掲載されていた。それによると、劇中のキャラクターのセリフには監督自身の深層心理が反映されていることが多いとか。特に1話の「ガンダムファイトか、嫌な一年が始まった」*1というセリフは監督自身の「ガンダムで格闘技なんてやりたくない。」という気持ちが反映されたものだと告白している。
そして最終話に関しては「署名入り原稿では書けない、書いてはいけない本音が、ドモンの口からドロドロになって語られている」とカミングアウトしている。
あっ、ファンならどうしても気になるけれども、最終回を観直して「これが今川監督の本音だな」というセリフを探すのは、今川監督の立場を考えて、控えましょうね…。


そう言えば最終回の一番のヤマ場である、ドモンとヒロインのレイン(デビルガンダムの生体コアとなっていた)との会話シーンで…
ヽ(`Д´)ノ俺たちのこの1年間は、一体なんだったんだ!とか、
ヽ(`Д´)ノ上の連中に、無理矢理ガンダムファイトを押し付けられた!とか、
ヽ(`Д´)ノ終わってみれば、周りはそしらぬ顔で、後の事しか考えちゃいない!とか、
想い人への告白シーンとは思えないような恨み節が連発されるんだけど…関係ないよな(ぉ)。


そしてラストシーン。見事にデビルガンダムを倒したドモンたちを見守る大人たちのセリフも印象深い。それはドモンの父親でデビルガンダムを開発したカッシュ博士と、ネオジャパンの政治家・カラト委員長の会話。ちなみにカラトは何かにつけてドモンに文句を言うお偉いさんで、ドモンの言うところの「上の連中」…今川監督にとってはプロデューサーとかスポンサーとかのメタファかと思われる。そのカラトがカッシュ博士に「これからガンダムファイトはどうなるのかのぉ」と問いかける。それに博士は、こう答える…

恐らくは続いていくでしょう。
ガンダムファイトには様々な問題があったようです。
それがわかっているならば、間違いを正す事も可能なはず。

これは「『Gガンダム』には問題や賛否両論があったけど、それを改善すれば続編も作れる」という、今川監督の本音だったのでは。事実、ラストカットは


SEE YOU AGAIN GUNDAM FIGHT -14-
さようなら みなさん
またガンダムファイト14回大会で
お会いいたしましょう


だったし。
本当だったら、続編が4年後の1998年に作られても良かったんだけどなぁ。次に2002年、そして今年は3作目の続編は放送されているハズなんだけど…。
まぁ、『Gガンダム』自体がインパクト勝負の一発勝負なところがあるし、続編は作らない方が懸命なのかも。

*1:1話のゲストキャラだったネオイタリアのベルチーノ警部のセリフより