今頃になって『パトレイバー』がマイブームな件について

久々にTVアニメの話題を…と言っても新作ではなく再放送だけど。


NHK衛星第2衛星アニメ劇場』で昨年4月から放送されていた『機動警察パトレイバー』(TVシリーズ)が、先日最終回を迎えました。僕が『パトレイバー』を観たのが、実はコレが最初だったりする。もちろん作品の存在も、大まかなストーリーもメインキャラクターも、もちろん世間から受けている高い評価も知っていたのだけど、今までは不思議と縁が無くって…。
で、実際に観てみたら、僕が『パトレイバー』に抱いていたイメージとか先入観とかが、かなり間違っていたた事に驚き。
折角なので1年間観てきた感想のような物を色々と書いてみる。もちろん、熱心なファンによる「パトレイバー論」には遠く及ばないけれど、それでも興味のある方はどうぞ…。


作品全体の雰囲気については「思ったよりコミカルだな」という印象。劇場版が軍事クーデターとか生物兵器とか、社会派なテーマを扱ったシリアスな物語だったから、TVシリーズにそのルーツがあると思ってたんだけど。基本的には「警視庁特車二課が巻き起こす珍騒動」という印象。
特に笑ったのが「特車二課の面々が馴染みの中華料理屋とケンカして…」と「基地の地下下水道を探検してみたら…」という話。で、こんな超エピソードを作ったのは誰かと思ったら、共に押井守氏の演出話だったりする。観ていて「今回はクセの強い話だな」と思ったら、押井氏が携わっていたというのが結構あったっけ。
TVシリーズでシリアスなのが、謎のレイバー"グリフォン"を巡るエピソード。僕の中では「グリフォンはシリーズ全体を通して特車二課と戦う宿敵」というイメージがあったんだけど、実際はシリーズ中盤に、数話を掛けて描かれるに留まっていた(しかも、黒幕はとの決着はついてない)。TVシリーズでは描かれなかった決着は、どこかで着いたのかな?


キャストを見てみると、今では大活躍している人気声優の多くが、準レギュラーとかチョイ役とかで出演していたりする。大塚明夫さん、真殿光昭さん、山寺宏一さん、子安武人さん、石田彰さん、立木文彦さん、林原めぐみさん、平松晶子さん、井上喜久子さん、etc…。本作で音響監督を務めていた斯波重治*1は、新人声優の発掘・育成でも高い評価を得ていたというし。前述の声優さんたちにとっても、若手時代に『パトレイバー』に出演したことが、大きな財産になっているんだろうな。


各話の最後には、こんなメッセージが出ている…

この物語はフィクションである
…が、10年後においては定かではない

これが示すように、『パトレイバー』の舞台となっているのは放送当時より10年後の1999年頃。意味的には「全体的に現在と変わらないけれど、"レイバー"という新技術が存在する程度に時間が流れている」ということらしい。でも現実では、レイバーに相当する人型汎用作業機械も開発されていなければ、それを悪用した犯罪も存在していないワケで。これは幸か不幸か…たぶん幸運なんだろうな。

*1:我がバイブル『アニメ三銃士』でも音響監督を務めている