『School Days』が物語とか作品とかいう存在を超越して、とうとう「事件」になってしまった件について(下)

アニメ版『School Days』の結末について書く企画の三回目。
School Days』のTVアニメ化が発表された頃、ネットのアニメファンからアニメ誌も記事に至るまで「どんな結末を迎えるか」に注目した。かくいう僕も「やっぱり"ノコギリ"かな。それとも"飛び降り"かな。それともヘタレな主人公に天誅が下る"包丁"かな」と期待していた。
でも、心の奥底では「流石にテレビアニメで無茶しないだろう。クライマックスの手前でバッドエンドを匂わせておいて、でも最後はそれなりに無難なハッピーエンドになるんだろうな」とタカを括っていた。


舐めていた…
俺は『School Days』という作品を…
そして、ゲーム版の関係者を数多く含むアニメ版のスタッフ陣を…
侮辱的なまでに舐めていた…


以下、少しですがネタバレ分を含んでいるので隠しておきます。


最終回はいわゆる「バッドエンド」、それもゲーム版における「ノコギリエンド」「飛び降りエンド」「包丁エンド」のいずれをも凌駕する、衝撃の内容だったワケですが…。個人的には、やっぱりバッドエンドはヘコむなぁ。
ゲーム版の場合は、ハッピーもノーマルも含めて数多あるエンディングの幾つかとしてならバッドエンドもまた魅力のひとつ、と思っていた。でも、結末が一つしかないアニメ版でバッドエンドをやらされると、正直キツい。ましてや、それが1話からリアルタイムで観ていた作品なら尚更。
誠と世界と言葉の恋愛模様を、ヨコシマな気分を交えながらも見守ってきた身としては、途中の紆余曲折があっても、最終的には世界や言葉には幸せになって欲しかったんだけど。それだけに、言葉がレ○プされたり世界が妊娠した件は一線を越えたと言うか、ハッピーエンドは無くなったと思ったりして。


でも「これが『School Days』らしい」と言えばそれまでだし、「ファンの期待に最大限の努力をして応えた」と言うのも、また事実だと思う。
原作であるゲーム版がバッドエンドばかり話題になってしまい、ゲームをプレイしたことの無い人まで作品を話題にするようになった(僕もこのクチ)。もしも、このバッドエンドがなかったら『School Days』は他の凡百のゲームに埋もれて忘れられていただろうし。
ゲーム版の製作スタッフが意図したのかは分からないけど、ショッキングなバッドエンドと共に『School Days』が語られるようになった。そして暗黙のうちに、『School Days』のテーマが「三角関係がもたらす破滅と悲劇」になってしまった。それを証明するかのように、ゲームの発売時にPCゲーム誌「BugBug」に連載されていたノベライズも、アニメと同時期に「コンプエース」連載されていたコミカライズも、形は違うけどバッドエンドだったらしいし(共に未読。ネットでの情報です)。


今回の事件によって『School Days』は「萌えアニメ」とか「ラブコメアニメ」という既存のジャンルを遥かに超越した唯一無二の作品、言わば「ジャンル:『School Days」になったのかもしれない。


あと、今回の件に付随して思ったことがあったので、それはまた明日。