今週気づいたこと

今週気づいたこと!


いよいよ始まった『機動戦士ガンダムAGE』。

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事前情報の規制が厳しかったことでトップシークレットになっていた声優陣も、オンエア開始直後に発表されたので、コメントも含めて紹介。


■機動戦士ガンダムAGE 公式サイト | キャストコメント


ガンダム』シリーズに初出演となる声優陣の多い中、この方のコメントが印象的。

■井上 和彦(ナレーション)
ガンダムのナレーションが出来るのはとても光栄です。
僕の師匠の永井一郎さんが、最初のガンダムのナレーションをされていたので、本当にうれしいです。

井上さんほどのベテランであっても、「ガンダムのナレーション」というのは特別なモノなのか。
つーか、このキャスティングって『AGE』の世界に、宇宙世紀の彼方から生還したジェリド・メサが登場する伏線なんじゃね?


…っと、到底ありえないが故にオチにしか使えないコトをいきなり書いてみる。


でも、ナレーション役の声優さんが兼役で、本編のキーパーソンを演じることも多いわけで。今回は、歴代『ガンダム』シリーズでナレーションを務めた声優さんについて書いてみる。


■『機動戦士ガンダム』ナレーション:永井一郎(兼役:デギン・ソド・ザビ、ドレン、他多数)

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永井さんの兼役で代表的なのはジオン公国の重鎮であるデギン・ザビに、シャアの副官として序盤に活躍したドレンかな。でも、1話限りのゲストキャラや名無しのモブキャラを入れると膨大な人数になる。そして何より、あの重厚なナレーション。
永井さんは、アムロ・レイ役の古谷徹さんやシャア・アズナブル役の池田秀一さんに並ぶ「ファーストガンダムのレジェンド」というべき存在だ。
それを活かしたのがOAVで展開中の『機動戦士ガンダムUC』。この作品の最重要キャラであるアイサム・ビスト役に永井さんをキャスティングしたことで「ファーストガンダムのナレーションは、サイアムによるモノローグ」という意味を含ませているのは巧いもんだ。


■『機動戦士Zガンダム』ナレーション:小杉十郎太(兼役:ヘンケン・ベッケナー
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小杉さんは、なんとこれが声優デビューだったという。それでいきなり『ガンダム』という大ヒット作の続編でナレーションという大役なのだから、そのプレッシャーたるや如何ほどのものだったのか。
小杉さんが何かのラジオで当時を振り返り「事務所の薦めでオーディションを受けたけど、合格するとは思っていなかった。決まった後で『辞退できませんか』と申し出た」なんて裏話をしてたっけ。
兼役のヘンケンは、主人公であるカミーユやシャアの頼もしい仲間キャラ。物語のスタート時から登場し、ヒロインの一人であるエマに不器用ながらも一途な想いを寄せ、最終決戦で壮絶な最後を遂げる。
報われなかったけど印象的なキャラだったなぁ。


■『機動戦士ガンダムZZ』ナレーション:矢尾一樹(兼役:ジュドー・アーシタ
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『ZZ』の1話(内容は作品プレビューで事実上の0話)ではファーストガンダムの永井さんがナレーションをしていたけど、本編のナレーションは矢尾さん…というか主人公のジュドー・アーシタの視点で語られていた。
『ZZ』は「明るいガンダム」をコンセプトに作られたので、前2作のような「重厚なナレーション」ではなく、主人公(=少年)視点で語るのを選んだのかもしれない。


■『機動戦士Vガンダム』ナレーション:中田譲治(兼役:ゴッドワルド、他)
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今や声優としてすっかりお馴染みの譲治さんだけど、以前は顔出しの俳優としてドラマや特撮で活躍していて、ちょうどこの『Vガンダム』が声優の仕事を始めた頃だったのかな。
で、譲治さんもファーストにおける永井さんのようにゲストキャラを兼役で多く演じていた模様。その中でも特に印象深いのが「人喰い虎」ことゴッドワルド。主人公のウッソが宇宙に出たばかりの頃に、漂流していたゴッドワルドをウッソが助けるという出会いの後、戦場で再会して激闘の末に倒される。
「敵の凄腕パイロット」「主人公と戦場以外の場所で出会う」「戦場で再会して激闘の末に倒される」「戦いを通して、主人公に戦いの何たるかを知らしめる」という、ガンダムシリーズお約束の「ランバ・ラル的キャラ」だったりする。


■『機動武闘伝Gガンダム』ストーカー:秋元羊介(兼役:マスター・アジア)
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バンダイビジュアル 2010-10-27

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Gガンダム』のナレーションは「皆さんお待ちかねーっ!」でお馴染みのストーカー(stalker=追跡者)。プロレスのリングアナウンサーの如きハイテンションぶりて、作品の熱い雰囲気を作り出していたっけ。
そして兼役のマスター・アジアについては、もはや説明不要。Gガンダム』の「魂」です。


■『新機動戦記ガンダムW』ナレーション:大塚明夫(兼役:ドーリアン外務次官)
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バンダイビジュアル 2010-11-26

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Gガンダム』から一転、再び「戦記モノ」に戻った『ガンダムW』は、大塚さんによる重厚なナレーション。
兼役のドーリアン外務次官はヒロインであるリリーナの父親であり、序盤で暗殺されてしまうけど死に際にリリーナの秘密を明かす…という出番は少ないながらも重要なキャラ。


■『機動新世紀ガンダムX』ナレーション:光岡湧太郎(兼役:D.O.M.E.)
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バンダイビジュアル 2010-12-22

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兼役の「D.O.M.E.」は『X』の作品世界における「ファーストニュータイプ」が姿を変えたモノで、実は物語を見守っていた…という衝撃のオチ。でも、これは当初から意図されていたものではなかったという。
『X』は「ガンダムを考えるガンダム」がテーマになっていて、ファーストガンダムのキーワードであった「ニュータイプ」が重要な役割を担っている。そこで当初はアムロ役の古谷徹さんをD.O.M.E.役にキャスティングする案も有ったけど、結局は「物語の語り部が、実はD.O.M.E.だった」という結末に落ち着いたという。


■『∀ガンダム』ナレーション:朴ろ美(兼役:ロラン・セアック
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バンダイビジュアル 2011-01-28

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『∀』では『ZZ』のように、主人公のロランがナレーション役を担っている。
『ZZ』が明るいガンダムであったように、『∀』は牧歌的な雰囲気のガンダム。なのでロラン視点による人間的なナレーションがマッチしていたっけ。
朴さんはガンダムシリーズで初めて「主人公を演じた女性声優」であると同時に「初の女性ナレーション」でもあるんだけど、少年キャラであるロラン視点なので忘れられがちだ。


■『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』ナレーション:三石琴乃(兼役:マリュー・ラミアス、ハロ)
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バンダイビジュアル 2010-04-09

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『SEED』と、その続編である『SEED DESTINY』のナレーションを務めた三石さんは、兼役ではガンダム伝統の「艦長キャラ」であるマリューと、ガンダムのマスコットであるハロも演じている。
三石さん、もう大活躍。


■『機動戦士ガンダム00』ナレーション:古谷徹(兼役:リボンズ・アルマーク ※「蒼月昇」名義)
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バンダイビジュアル 2010-08-27

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ファーストガンダムのレジェンド」である古谷さんが、ナレーションとはいえ「アムロ・レイ以外のキャラ」を演じるというだけで、当時はビッグニュースだったっけ。
そして、古谷さんにお出まし頂いた以上、単なるナレーション役に留め置くワケにもいかなかったのか。ラスボスであるリボンズも演じていた。放送当時は「謎の新人声優・蒼月昇」を名乗っていたけど、ラジオやアニメ情報誌のインタビュー(サングラスをかけただけの顔写真も掲載)にも出ていて、もはや「知らないフリごっこ」だったなぁ。


以上、駆け足ながら歴代ガンダムのナレーションを振り返ってみた。
ガンダム』は基本的に戦争・戦記モノなので、ナレーションも重厚な男性声優、それも渋い声質のベテランが担当することが多いなぁ。その流れで「じゃあ、本編の重要キャラも兼役で…」ってことなのかな。否、逆のパターン(メインキャストの中からナレーション兼任を選ぶ)もあったりして。


今回の『ガンダムAGE』は事前のキャスト情報が伏せられているから分からないけど…上述のキャストインタビューを読んだ限りでは、井上さんはナレーション専任で兼役は無さそう…。
否、ひょっとしたら超絶トップシークレットの最重要キャラを、井上さんが演じる予定なのかもしれない。


とりあえず「自分と息子と孫の三世代に渡る戦いを終えて、その人生を振り返っているフリット老人(CV:井上和彦)自身がナレーションだった」という、これ以上無いほどベタな予想をしていこう。