あの伝説のゲーム情報誌の裏話満載

ファミコン世代にとっての、そして少年時代の僕にとっての愛読書である『ファミリーコンピュータMagazine』の裏話満載なこの一冊を、ようやくゲット。

4198632251超実録裏話 ファミマガ 創刊26年目に明かされる制作秘話集
山本直人
徳間書店 2011-07-14

by G-Tools
著者は2代目編集長の山本直人氏。当事者による思い出話という感じで、スキャンダラスな暴露話という雰囲気ではなく、面白おかしく読める一冊。


特に多く触れられているのが、ファミコンの象徴と言うべきゲーム『スーパーマリオブラザーズ』。
編集者が任天堂に取材してプレイしたら一発でハマり、速攻で全ステージ攻略記事の掲載と攻略本の出版を決めたという。しかも、攻略本は売れに売れて、出版社にとっては「カネを刷ってる状態」になったけど、編集スタッフには印税の類は全く入ってこなかったとか。(ちなみに、この『スーパーマリオブラザーズ完全攻略本』は1985年秋に出版されて、年を跨いでのヒットとなったため、1985年と1986年の2年連続で年間ベストセラー第1位になったほど。)
さらには、本来存在しないはずの「ワールド9」や「-(マイナス)1面」を巡る騒動もあったりで、製作者である任天堂宮本茂氏のインタビューを掲載したり、「ファミコンを壊す恐れがあるので、ワールド9を出そうとしちゃダメだよ」という啓蒙記事を掲載したりで、色々と大変だったそうな。


そして何より、ファミマガ名物と言えば「ウソ技(テク)」。
ファミマガを作ってた」と言うと5割以上の確立で「野球拳の!」と言い返される(山本氏・談)という『水晶の龍』の「シンシアの野球拳」はもちろん、「『スーパーマリオ』でファイアーフラワーを36個連続で獲ると…」とか「『忍者じゃじゃ丸くん』でマイクに向かって"♪じゃじゃまるじゃじゃまる〜"と歌うと…」とか「『さんまの名探偵』でナムコビルに入るには…」なんて、伝説のウソ技に纏わる裏話も続出。
読者のみならず、メーカーや小売店やライバル誌からのクレームや問い合わせも続出したとか。


読めば読むほど、当時の雰囲気が思い出される、懐かし過ぎる一冊です。