ゲームクリエイターかく語りき5.5〜サクラ大戦・広井王子氏(番外編)

ゲームクリエーターによる「ゲームづくりのコツ」のようなものを紹介してみる企画の番外編。


テキストとして使用する本は引き続きこちら。

487233907Xゲームセンター「CX」
太田出版 2004-12

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広井王子氏の『サクラ大戦』纏わるインタビューより、ゲーム作りの参考になるか分からない。否、恐らくは参考にしてはいけない、こんなトンデモ裏話を紹介。
B0052QN92SSEGA THE BEST サクラ大戦1&2(価格改定版)
セガ 2011-07-28

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有野:『サクラ大戦』を発売したのはセガじゃないですか。セガとの出会いっていうのは…。
広井:ホンダの副社長をやっていた入交昭一朗さんがセガにいらっしゃったんですよ。
「サターンが出る時に、新しいキャラクターを作りたい」ということで、お電話があったんですよ。
「話をしたい。一度会って話を聞いてよ」って話になりまして。
「でも、来週から2週間ほどサイパンに行っちゃいますよ」って言ったら「いや、行くからサイパンに」って。
で、サイパンにいらっしゃったんですよ。
有野:ほお。
広井:元ホンダの副社長で、凄い雲の上の人ですよね。
その人が、たかだかサイパンに遊びに行ってる僕を追っかけてきて「一緒にやろうよ」って言われる気合というか、気持ちというか…それで、断れないと思ったんですね。
こういう出会いは、人生の中でもそんなに何回もあることじゃなくて、素敵なことなんでね、男と男の出会いというか。
有野:はい。
広井:でも、セガって大きい会社ですから、その中でやっていけるのかなって、不安もあったし、どこまで守ってくれるんだろうって、不安もあるわけですよ。
入交さんはどこまで本気なんだろうって。
その後社長になりましたけど、当時セガの副社長で、一緒にセガの付き人がいっぱい来てたわけですよ。
その時に、入交さんがプールサイドを「あ、ここのプール深いんだねぇ」って見てて、そこで背中をポンって足で押したんですよ。
有野:誰をですか?
広井:入交副社長を。
有野:現社長を?
広井:うん。これで怒ったら俺はやめる、と…。怒らんかったですよ。
有野:どうしてました(笑)?プールから出た時に。
広井:「おお、深いなぁ、ココ」って(笑)。
スタッフ:(笑)
広井:「いい人だなぁ、もう俺は一生ついていこう!」って思いましたね(笑)。

何だよ、このリアル「押すなよ!絶対に押すなよ」な話は。
ゲーム作りを依頼しに来た会社の偉い人、それも広井氏の言葉を借りれば「凄い雲の上の人」をプールに蹴り落とすという暴挙。クライアント側の自分に対する信頼と評価を試すための行為、と考えるべきか。
番組の雰囲気的に「面白可笑しい武勇伝」って感じだけど、とてもじゃないけど他の人は真似しちゃいけないよなぁ。


他にもこのインタビューでは森本レオ氏の「付き添い(付き人に有らず)をしていた」とか「レッドカンパニーの社長になったのは、仲間内でのジャンケンに負けたから」などなど面白エピソードが満載。
最近では某「お泊り騒動」でスキャンダラスなイメージが付いちゃったけど、またアニメやゲームを手掛けて欲しい。