新機動戦記ガンダムWを観る(後)

今週も更新をサボって『ガンダムW』のシリーズ後半部を視聴。そう言えば、後半は監督が替わっているだっけ。池田成監督が26話辺りで降板して、以降は高松信司氏が影武者で監督を務めていたとか。でもOPのテロップは「監督 池田成」だったので、本放送時は交代劇に気づかなかった僕でした。
ちなみに当時の高松監督は勇者シリーズ黄金勇者ゴルドラン』の監督も務めていたので、スケジュールが大変だったとか。そして、ようやく『ガンダムW』を完結させたと思ったら、今度は新作ガンダムを押し付けられることに。そんな経緯で作られたのが『機動新世紀ガンダムX』なんだけど、これについてはまた別の講釈。
話を『ガンダムW』に戻して…後半も勢力図が替わりまくり。一度は地球を支配しかけたOZ(オズ)が分裂。スポンサーのロームフェラ財団の息が掛かった「ロームフェラ派」と、財団に反抗して幽閉されたトレーズを支持する「トレーズ派」が対立することに。一方、宇宙では武装集団「ホワイトファング」は蜂起して大混乱。そんな状況で、5人のガンダムパイロットはその陣営に属することなく戦いを続けるも、やがて集結してゆく…。この展開、本放送時は混乱して解り難かったけど、ビデオで一気に観たら解り易い。むしろメインキャラが散り散りになっていることで、地球と宇宙の様子を多角的に描けています。
あと、世界情勢がガンダムの活躍と無関係に動いているのも大きな特徴。ガンダムが圧倒的な戦闘力で「戦闘」に勝利しても、そこはレジスタンスの悲しさ。大局を動かすには至らない。それでもガンダムパイロットたちは戦い続ける。自分たちの戦いが平和に繋がると信じて…。つまり『ガンダムW』は「戦争」ではなく「戦士」を描いた作品。もっと砕いて言うと「戦士のヒロイズム」を描いた作品です。他のガンダム作品と比べても「戦争の悲惨さ」は抑え気味で、何よりガンダムパイロットが「巻き込まれ型」ではなく、自分の意思でガンダムに乗ったキャラばかりなのが、それを象徴しています。「戦争モノ」としてはツッコミどころも多いけど*1、エンターティメントとしては充分に楽しめる一作だと思います。
というワケで、これは皆さんにもお勧めの一作です。「ファースト・ガンダムしか認めない!」と本放送時は観なかった人も、『SEED』シリーズでガンダムにハマった人も、機会があればご覧になって下さいな。

*1:放映当時は「戦争を美化するな!」という批判もあったらしい。